待合室
2005年2月1日
 
コラム【待合室】は、
病院の待合室という特殊な空間に身を置いて「医療」を眺めています。
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 ★ノロ速攻 あの箱根駅伝の弁当にもノロウイルス。日テレの駅伝中継関係者(18〜54歳)が初日の仕出し弁当で食中毒に、といった具合で、このところノロウイルスがクローズアップ。このウイルスが特養ホームなど高齢者を狙い撃ちし、一方では2歳児の命も奪って(高知)いるのだから油断ならない。米オハイオ州ノーウォークという町の小学校で68年に急性胃腸炎が集団発生した時に命名された。「おなかにくる風邪」ともいわれるこのウイルスの仕業による患者は毎年でているが、今冬は猛威を振るいながら拡大のスピードが速いので後手後手に回ってしまった。手洗い、うがい、おむつ交換の時には手袋を―。
 
 ★女性外来 前に「性差医療」を取り上げたが、このところ「女性外来」が話題になっている。これは単に女医が女性を診る外来ではない。女性特有の体と心をよく理解した医師が女性の心身をトータルに診て適切な治療をすることだ。ところが「女性外来」は医療法が定めた診療科目にはないため、呼び名もまちまちとなっている。いかにもお役所らしい判断が影響しているのは明らかだ。単に女医が対応したり「婦人科」と同意語として用いている病院さえあるというのでは趣旨が違う。現在、女性外来を受診したことのある人は5%に満たないというから、道遠し―。
 
 ★花粉襲来 スギ花粉が10年ぶりの大量飛散。飛散日は通常2月10日前後だが、今回はすでに11月中旬頃から花粉症をうったえる患者が病院をおとずれるようになった。スギ花粉症の発見者として知られる神尾記念病院(東京・千代田区)の斎藤洋三顧問(耳鼻咽喉科)によると、最近は症状や持病、生活様式に合わせた抗ヒスタミン剤やステロイド剤など薬を選択出きる様になってきたという。漢方も専門家に相談するといい。抗ヒスタミン剤に副作用(眠気や口の渇き)があるので、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)を処方してもらって大助かりという人もいる。が、残念ながら特効薬や100%予防の決め手はない。ならば先手必勝だ。
  
 ★信頼喪失 ドーピング疑惑が米国で有名アスリートにひろがっている。たとえば、大リーグ歴代3位通算7034塁打のボンズ(ジャイアンツ)や陸上女子短距離のマリオ・ジョーンズ、「ツール・ド・フランス」6連覇のランス・アームストロングら。これらの疑惑騒動をうけて大リーグが1月13日に現行規定より罰則を厳しくし、なおかつドーピング検査を今季から導入すると発表した。アテネ五輪でハンマー投げ「金」が薬物汚染で話題になったが、汚染の根は深い。アスリートの信頼を回復するためにも各国各界で是非ドーピング検査を導入してもらいたいところだ。さて、日本ではどうか?相撲協会が検査導入を昨年初めに検討したが、なぜかトーンダウン。プロ野球界は初めっから検査を導入してはいない。ここでも先手必勝であろう。ちなみに、米保健福祉省の調査では高校生が処方箋なしにステロイドを使っている者がなんと6・1%という結果がある。
 
 
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